土地売買

土地の価格その① プロがわかりやすく解説!公示価格とは?

2024/07/23
公示価格とは?

土地の価格や相場は、一般の人にはわかりにくいですよね。東京都心が高いのは何となくわかるにしても、「自宅の土地がいくらなのか」を知っている人は少ないのではないでしょうか。しかし、遺産相続や土地の売買となるとそうはいきません。知っておくに越したことはないのです。今回は2回にわたって、土地の価格について考えてみましょう。

公示価格って何?

土地を売買する時やニュースなどで「公示価格」という表記を見ることがあります。これは、国土交通省が評価する土地1㎡あたりの評価額で、たとえ建物が建っていても、更地として利用制限があったとしても、ないものとして客観的に評価されます。毎年公示価格が発表されるとメディアでも取り上げられ、「商業地で一番高いのは〇〇」「住宅地で高いのは〇〇」と話題にもなりますね。一般の人が土地を売る際や、土地の資産評価をする際に目安となる価格でもあります。
公示価格には「公示地価」と「基準地価」の2種類があり、公示地価を決めるのは国土交通省の土地鑑定委員会です。毎年1月1日時点に全国の標準地26,000地点(令和6年度時点)で、2名以上の不動産鑑定士によって鑑定・評価が行われ、3月に発表されます。
一方、基準地価は各都道府県が毎年7月1日時点で調査する土地の価格です。1名以上の不動産鑑定士が鑑定・評価し、9月に各都道府県が発表します。

公示価格はどこで調べられるの?どんな時に必要になるの?

聞き慣れない言葉なので調べるのも難しいと思われがちですが、調べかたは至って簡単で、国土交通省のWEBサイトで誰でも調べることができます。
土地の売却、購入を考えた時や土地を相続した時には、公示価格は非常に重要になってきます。土地は決して安いものではありませんし、土地の価格によって相続税や固定資産税も変わってくるため、しっかりと把握するようにしましょう。

埼玉の公示価格

最新の公示価格

最新の埼玉の公示価格は?

埼玉県全体でみると、土地の公示価格はどうなっているのでしょうか。埼玉県では令和6年度は1,301地点(住宅地等1,032地点、商業地223地点、工業地44地点、林地2地点)で調査され、住宅地と商業地点地では3年連続、工業地では11年連続して地価が上昇しています。
埼玉県内の地価平均を市町村別で見てみると、
1位 さいたま市(平均340,177円/m2、変動率+3.12%)
2位 和光市(平均330,076円/m2、変動率+3.89%)
3位 蕨市(平均306,714円/m2、変動率+5.99%)
4位 川口市(平均302,119円/m2、変動率+5.33%)
5位 朝霞市(平均285,782円/m2、変動率+3.85%)
となっており、地価の上昇市町村は都心に近接する地域を中心に周辺地域にも広がりを見せています。住宅地では浦和駅、大宮駅、川口駅などの京浜東北線沿線の利便性の高い地域、商業地では大宮駅、川口駅周辺の価格が上昇しています。全国的に見てみると、公示地価は平均174,805円/㎡(坪単価平均577,868円)で47都道府県中7位、変動率で見てみると2.09%の上昇で全国13位となっています。

詳しく知りたい人は、国土交通省のWEBサイトで調べてみてください。

国土交通省WEBサイト https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

公示地価、基準地価、路線価はどう違うの?

公示地価、基準地価の他に、公的機関が発表している土地の値段に路線価があります。これは道路に面した土地の価格で、相続や贈与に係る税金を算定する際に使われ、相続税路線価と固定資産税路線価の2種類があります。一般的に土地の価格相場の参考とされるのは相続税路線価です。こちらは国税庁のホームページで確認することができます。

国税庁WEBサイト https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

いかがでしたでしょうか。公示価格は公共の機関が公平な目で評価し、一般に広く公開されている価格のため、信頼もあり、見やすくなっています。土地の売却を考えたら、まずはこの公示価格を相場として把握しておきましょう。
次回は、公示価格以外の土地の価格について紹介します。

本記事は、2024年7月時点の情報に基づいて作成しています。

この記事を書いた人
記事執筆者 日本興新株式会社代表取締役 星和